「ブランド・エクイティ戦略」読了
Published on: 2025/01/26
「ブランド・エクイティ戦略」読了しました。 前段として「教科書経営」を読んだときに、星野リゾート代表の中沢さんがおすすめの本として上げていたのがきっかけです。
この本では、ブランドを無形資産として説明し、企業にどう価値をもたらすのか、どのように価値を測定し、管理するのかを説明しています。
自分の中で、まったくイメージがわかなかったブランドというものが紐解かれたようで、とても勉強になった本です。
ブランドとは?
- 単なる「商品名」や「企業名」にとどまらず、消費者の頭の中に形成される イメージや価値 の総体
- 無形資産 として企業が長期的に育成すべき重要な要素
ブランド・エクイティの構成要素
- ブランド認知
- 知覚品質
- ブランド連想
- ブランドロイヤルティ
- その他所有しているブランド資産
1. ブランド認知 (Brand Awareness)
- 定義 消費者がそのブランドを「知っている」「聞いたことがある」「見たことがある」と認識している度合いのこと。
- 重要性
- まずはブランドが認知されなければ、購買検討の土俵に乗らない。
- 広告・SNS・口コミなど、多様なチャネルでの露出が必要。
- 向上施策の例
- マス広告やイベントスポンサーシップの活用
- インフルエンサーとのコラボレーション
- 店舗・ECサイトや公式SNSでのブランド訴求強化
2. 知覚品質 (Perceived Quality)
- 定義 消費者がそのブランドの「品質・価値水準」について抱いている評価。
- 重要性
- 単なる実質的品質だけでなく、「高品質だ」と感じてもらうための演出やストーリーづくりが重要。
- 価格設定やブランドイメージ、広告内容によっても印象が変わる。
- 向上施策の例
- 商品開発やサービス品質の継続的向上
- プレミアム素材や製造工程へのこだわりを可視化
- エキスパートやユーザーからのポジティブ評価を積極的にアピール
3. ブランド連想 (Brand Associations)
- 定義 ブランドに関するイメージや特徴、ストーリーなど、消費者の頭の中で想起される概念の集合体。
- 重要性
- 「スタイリッシュ」「信頼性」「高級感」などの肯定的イメージをどれだけ強く持ってもらえるかがブランド力の核心。
- シンボル・キャラクター・ロゴ・パッケージなどの視覚要素も大きく寄与。
- 向上施策の例
- 差別化されたブランドストーリーの発信
- 広告・CM・SNSでの一貫したビジュアルやトーン&マナー
- 有名アーティストやセレブとのタイアップによる話題づくり
4. ブランドロイヤルティ (Brand Loyalty)
- 定義 消費者が継続的に同じブランドを選び続ける度合い、いわゆるリピーターやファンの存在。
- 重要性
- ロイヤルティが高い顧客は価格競争の影響を受けにくく、安定収益をもたらす。
- ロイヤル顧客によるSNS発信や口コミが、新規顧客を呼び込む好循環を生む。
- 向上施策の例
- 会員制度・ポイントプログラムの充実
- カスタマーサポートやアフターケアの充実
- ファンイベントやブランドコミュニティの定期開催
5. その他所有しているブランド資産 (Other Proprietary Brand Assets)
- 定義 特許、商標、キャッチフレーズ、キャラクター、ドメイン名など、ブランドを保護・差別化するための資産全般。
- 重要性
- 他社が模倣しにくい仕組みを構築することで独自性を守り、競争優位を維持する。
- 権利関係が強いほど、市場における地位を長期的に維持しやすい。
- 管理・活用施策の例
- 商標権・意匠権などの知的財産権の取得・更新
- キャラクターやロゴを使った商品展開、ライセンスビジネス
- SNSアカウント・ドメインなどデジタル資産のブランディング統制
企業事例:マクドナルド
- ブランド認知 世界的ファストフードチェーンとしての圧倒的知名度。国や地域を問わず、マクドナルドの「M」ロゴは誰もが認識。
- 知覚品質 「リーズナブルな価格」「一定の品質基準」「素早い提供」など、手軽さと安心感を同時に提供。
- ブランド連想
- ハンバーガー、赤と黄色の店舗カラー、ハッピーセット
- ファミリー層向けのイメージ、子どもが喜ぶ空間
- CMやマスコット(ロナルド・マクドナルド)で親しみやすさを演出
- ブランドロイヤルティ
- 全国どこでも同じ味とサービスを提供するため、リピート購入がしやすい
- コレクター心理を刺激する限定グッズや期間限定メニュー
- アプリによるクーポン配信・ポイント施策
ポイント: 統一したロゴや店舗デザイン、グローバル規模での広告展開により「マクドナルド=ハンバーガー」の強固なブランド連想を築いている。
企業事例:Louis Vuitton
- ブランド認知 ハイブランドとして世界的に認知され、ラグジュアリー市場で存在感を確立。
- 知覚品質
- 高級素材と熟練職人による高い品質・耐久性
- 歴史と伝統に裏打ちされたブランドとしての安心感
- ブランド連想
- 代名詞とも言えるモノグラム柄、ステータスシンボルとしてのバッグ
- パリ発のファッション最前線を担うブランドイメージ
- 有名セレブが愛用することでの「憧れ」感の醸成
- ブランドロイヤルティ
- 所有すること自体が社会的ステータスとなるため、リピーターやコレクターが多い
- 限定コレクションや新作発表会でロイヤル顧客とのコミュニティを強化
- ストアでのホスピタリティ高い接客・アフターケア
ポイント: 高級ブランドとしての世界観をあらゆる顧客接点で徹底し、長い歴史に裏打ちされた「価値」と「憧れ」を継続的に演出している。
企業事例:ユナイテッドアローズ
- ブランド認知 「セレクトショップ」の代表格として国内で広く認識され、複数のレーベルを展開。
- 知覚品質
- オリジナルブランドでは素材や仕立てにこだわり、価格に見合った品質を提供
- バイヤーが厳選した国内外ブランドを取り扱い、多様な顧客ニーズに対応
- ブランド連想
- 都会的で洗練された雰囲気
- 若年層からビジネス層までカバーする幅広いラインナップ
- 雑誌・SNSでの露出やコーデ提案でスタイリッシュなイメージを強化
- ブランドロイヤルティ
- 丁寧な接客や店舗体験がリピーター獲得に寄与
- 会員プログラムやイベント招待など、顧客との継続的な接点を育成
- 既存客に向けたブランドの新レーベル・コラボ企画も積極的に実施
ポイント: セレクトショップとしての強みを活かしつつ、自社レーベルも展開する“ハイブリッド”な戦略で顧客を囲い込み、ブランド全体の付加価値を高めている。
まとめ
- ハイブランドやセレクトショップは ブランド認知・知覚品質・ブランド連想・ブランドロイヤルティ といったブランド・エクイティの要素を戦略的に構築・維持することで、強固なブランド力を獲得している
- 「ブランド・エクイティ戦略」を学ぶことで
- 企業や商品・サービスの 無形資産 としての価値が理解しやすくなる
- 長期的視点からのブランド価値向上策を体系的に考えられるようになる